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食糧自給率
宋文州さんのツイッターで気づいたのだけど、日本の食糧自給率向上政策を疑い始める。

TPPやFTAといった自由貿易連携の障害に食糧の関税問題がある。

農産物の関税を下げないので、報復的に日本の得意な工業製品の輸出が妨げられている。

知識人っぽい人たちはどうも自給率向上政策には反対の論調が多い。

そもそも規制をかけるなんて自由主義の精神に反するという規範的価値もどうやら入っている。

一方で最近飲んだ立派な企業の友人は、食糧は大事だから安易に解放すべきじゃないと言っていた。

賛否両論あるし、当事者には当事者の事情があるし、門外漢がおいそれと口が出せない話なのだろうが、日本人の経済活動に大事な話なのでにわか勉強したことを記す。

論点は、
①そもそも自給率が低いのかという問題
②食糧安全保障の問題
③国内農業の保護の効果
と理解する。

根本的に①はかなり議論があるようだ。

農水省が示す日本の自給率は40%で先進国最低水準なのでイカンという見解。

ところがこれはカロリーベースという独特の指標を使っており、これがくせものという批判だ。

『日本は世界5位の農業大国』(浅川芳裕著、講談社)によると(読んでないけどこちらの受け売り)生産高ベース(こちらの方がピンときますね)では66%で別に見劣りしないそうだ。

畜産物は飼料が輸入だと自給にカウントされないというカラクリもあるらしい。

そんなこと言い出すと、そもそも自給率の低い日本人が栽培した作物も自給にカウントしないとか大変なことになりそうだ。

何とかスコアを低く見せたいための策略じゃないかという指摘だ。

この指標の問題は専門家の方々にちゃんとして欲しいところだが、そもそも自給率が低いことが悪いのか、という根本問題がある。

そこで「②安全保障」の懸念になる。

食糧の輸入先と紛争が起こったり、異常気象や供給国の人口爆発で世界的に供給不足になったら食べるものに困るでしょ、ということだ。

石油やレアメタルはもともとないものなので輸入に頼るのは仕方がないが、食糧くらいは外国に頼らず、籠城責めにあっても暮らしていけるようにしようと。

これも石油や肥料の輸入が止まってどこまで農業が可能だと思ってんだ、あほちゃうか、という批判的意見がある。

ま、日本は北朝鮮のように孤立したらそもそも生きていけないので、それは政治的にあり得ない。

そこまでいかずに食糧の輸入先とケンカするシナリオがどこまであるかだが、のんびり暮らしている日本人にはイメージできない。

国民対象のアンケート調査では、自給率が高い方がよいとの結果出ているが、そりゃそっちの方がベターと言うことで、トレードオフを前提とした意思決定の情報にはなり得ない。

どうも安全保障としての論陣も分が悪いようだ。

食糧安全保障という大それた問題じゃなくて、輸入解放したら農業壊滅するよ、という保護的な③の見解もある。

これは、産業としてダメになって取り返しが付かないという経済面の議論と、安い外国もんに席巻されて日本の食文化がだめになるという懸念がありそうだ。

でもどう考えても有機農法とか産地直送とかに関心が向かっている日本の消費者が、安いだけで外国産になびくわけがない。

加工食品メーカーだって、リスク回避のために購買先を分散するだろうから、全量を輸入に頼るとは思えない。

日本国内でものを食べる消費者がいる限り、日本の生産地は一定の立地的な競争優位があるだろう。

しかも日本人は不味いものは嫌いなのだ。

ということで、にわか勉強の結果、関税を高くして食糧自給率を高める策には賛同できないという仮説に至った。

しかしこれ、ここに挙げたような論旨で普通に考えたら同じ結論になるはずだ。

賢くてよく分かっている日本の政府が考えると違う結論なるということが驚きだ。

きっと何か議論に欠落している重大な要素があるに違いない。

選挙の票集め?

農水省が自己保身のために危機を煽ってるだけという、分かりやす過ぎる話だったら相当怖い。
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2012/04/21(土) 12:03:47 |
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