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サービス・ドミナント・ロジック
サービス・ドミナント・ロジック(SDL)についてお友達と勉強会をしたので、忘れないうちに備忘録。(ちょっと理屈っぽいです)

「モノ」を前提とした「グッズ・ドミナント・ロジック(GDL)」が現代のマーケティング論の主流。

そうではなくて、世の中の商売はすべてサービスと考えた方が説明が付きやすいというのがSDLの主張。

ドミナントという言葉は、支配的、統一的、包括的というような意味なので、経済をモノの動きで見るより、サービスの交換過程と見た方が何かとアイデアが湧きやすいというとだ。

漁師が魚を捕り、猟師が猪を撃つ。

魚と猪を交換すると考えるのがGDL。

魚を捕るノウハウ・技術と猪を撃つノウハウ・技術を交換すると考えるのがSDL。

海の漁師に代わって獣を撃つサービスを提供しているのが山の猟師、という考え方である。

さらに山の猟師は海の漁師の食卓に貢献しているわけで、献立提案サービスや健康促進サービスをしているとも考えられるのだ。

自動車メーカーは自動車という「モノ」を売っているんじゃなくて、移動やレジャーやコミュニケーションを提供する。

時計メーカーは規律のある生活をサポートし、待ち合わせというコミュニケーションを演出し、アクセサリーとしてライフスタイルやステイタスの提案ビジネスになる。

このあたりまでは、単なる販売活動ではなく、お客さんの問題を解決する「ソリューション活動」に転換しないとね、という文脈と同値である。

今のところの小生が理解したポイントは、「お客さんは価値を作り出すパートナー」と言う考え方だ。

商品を企画する際、「老舗旅館のようにおいしく米が炊ける炊飯器」などのような提供価値を定義する。

SDLでは、それはあくまで提案のレベルであって、実際にお客さんが使った時点で価値が生成されるのだから、売り手とお客さんの共同作業なのだと。

洗濯機でも、携帯電話でも、なんでもかんでも、お客さんが実際に利用した瞬間が価値創造の瞬間なので、あらゆる商品に当てはまる話だ。

研究開発の担当者や、工場のスタッフや、営業パーソンと同様に、お客さんも価値を生成するパートナー(それも決定的に重要な)であると見なし、それを前提にコミュニケーションを図らなければいけない。

お客さんはパートナーであり、情報はできるだけガラス張りにして腹を割ってコミュニケーションすべきである。

それゆえ、顧客は経営資源とみなされる。

経営資源というワードが適切かどうかは議論があるが、長期的に関係を持ち、長期的に利益を生み出す仲間とみなすということだ。

顧客と良い関係を築き、顧客の現場で何が起こっているかに焦点を合わせる。

まことに正しく、肝に銘じるべき考え方である。

さて、ここからは私見。

こういう風に考えていくと、企業の楽屋裏と表舞台の境がどんどんなくなっていく。

DVDでもメイキングが入っているのが当たり前の世の中なので、製品も開発会議や製造現場の苦労が描かれたメイキング映像が公開されていくのかも知れない。

そのうち、開発会議参加ツアーや製品改善コンテストなんかも企画される。

売り手が正直に手の内を明かすようで、実はその手の内も編集されて、心地よいエンタテイメントとして買い手に提供される。

仕事のプロセスがショーになる。

しかし、真のヒーローは違う。

勝負はグランドかリングの上で、その勝負だけで人々を魅了する。

タイガーマスクが、実は心優しい伊達直人だとは誰も知らないのだ。

プロセスがガラス張りになる潮流の反面、実は素人が辿り着きそうもないマジックも期待されている。

全く手の内を見せず、最後に鳩だけを取り出して観客を唖然とさせる。

それがスティーブ・ジョブズのやっていることだと思う。

秘密主義を貫き、自前のハードとソフトにこだわり、アプリを検閲する。

批判もあるが、確かな価値を提供している。

情熱大陸の取材は断り、陰の強烈な努力や見栄や意地や恐れをおくびにも出さない覆面レスラーの出番だってまだまだあるはずだ。

ロマンチック過ぎる考え方だろうか。
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