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『マジすか学園』とビン・ラディン
深夜たまたまテレビをつけると、AKB48の学園ドラマ『マジすか学園』の新シリーズがやっていた。

女子高生が教室で焼肉焼いたりとハチャメチャな話だが、天才秋元康の企画ゆえんかなぜか見てしまう。

ストーリー全編、アイドルタレントたちがボコボコの喧嘩三昧。

主人公の前田敦子は普段はおとなしい転校生だが、喧嘩になるとめっぽう強くなる。

この世界では、喧嘩に強いことが人を服従させるパワーの源である。

この組織原理はとても原始的だ。

人間の歴史は戦争の歴史と呼ばれるだけ合って、戦に強いものが社会を牛耳るというのが普通であった。

現代社会では建前としては否定されているが、心理の奥底にはこのような原理が根付いている。

昨日、オバマ大統領はビン・ラディン暗殺の声明を出した。

「正義」が勝利したと宣言した。

記者会見は英語なのでなんとなくしか分からなかったが、穏健派キャラのオバマ大統領が堂々と「暗殺に成功」したことを表明する姿にある種の畏怖を感じた。

国際法的にどうなのかは分からないが、ある国の暗殺部隊が他国で一個人を有無を言わさずに殺し、これが正義だと胸を張るのは論理的とは言えない。

論理を超えた暴力的手段を講じたことで、オバマ大統領へのまなざしは変わり、権力の厚みは格段に増したように思う。

しかも「いい人キャラ」との落差。

タイガーマスクの伊達直人もそうだが、おとなしい人ほどこの落差による「暴力効果」は大きい。

暴力を使いそうもない人が、決定的な場面で論理を超えて暴力を用いてヒーローの座を獲得する。

そう、これはまさにAKB48のドラマの構造である。
ロイヤル・ウェディング
王室に嫁ぐことになったとリアルに想像してみよう。

まず、嫁ぐかも知れないと世に知れ渡った段階でほぼ自由はなくなる。

世間に顔は知られ、マスコミは追いかけられる。

牛丼が食べたくなってもカウンターに座るわけにはいかない。

誰かに買ってきてもらうしかない。

嫁ぐかも知れない状態なるよりも前、なにかしらのお付き合いらしきものが始まった段階でも窮屈だ。

素行は調べられ、偏った考えの持ち主でないかどうかが確認され、致命的な落ち度があればやんわりと疎んじられる。

親しみやあこがれを感じる心と、自由を犠牲にする負担との板挟みになる。

プライベートが減少し、公の存在になっていくのだ。

適当につぶやいていたツイッターも、○○が嫌い、とは迂闊に言えなくなる。

というかツイッターはやめた方がよい。

何かしらの意見が単なる70億人分の1ではなくなる。


と、一通りイメージトレーニングをした後で我が身を振り返ってみよう。

自由に何でも発言できるかというと、社会的な存在である以上、そんなわけにはいかない。

実名でフェースブックやツイッターをしている限り、何かしらの制約を自らに課して発言している。

獣のような自由さと王室に嫁ぐ身の不自由さの中間地点に僕らはある。

問題は、そのバランスがどんどん不自由側にシフトしていることだ。

ブログだろうとツイッターだろうと発言はパブリックなもので、かつ痕跡が残る。

親しいツレに発信しているつもりが仕事の関係者に伝わり、印象を左右する。

そしてそんなことを気にし出すと、途端にオモロナイ発言ばかりになる。

政治家の失言や、東電の広報係の味わいのなさを無邪気に笑えなくなる。

自分自身の広報戦略が要るようになる。

コミュニケーション手段が豊かになった現代の新たなお作法が必要になる。


なにはともあれ、ご結婚おめでとうございます。

さわやかなカップルに乾杯。